補聴器について

日時 毎月2回(第2,第4の水曜日 午後14:30〜16:00)

補聴器相談

 当院では専門業者と連携して、補聴器相談を承っております。試用器がありますので、興味のある方はお試し下さい。(試聴器の使用は無料です。)

 実際に音を聞いてみて、「聴きよい」と感じれば、より聴力に応じた機種を作製すればよいでしょう。

 すでにお持ちの方も、補修・電池交換・調整など、ほとんどのメーカー機種に応じられます。どうぞお気軽にお立ち寄り下さい。

補聴器作製のための補助制度についても、業者よりアドバイスの用意があります。

補聴器はつける「べき」?

 つけるかどうか、結論から言って、「本人が決めること」です。どれだけ会話などに不自由しているか次第です。ですから、「このくらい聞こえが悪くなったら」という明確な境界線はありません。

 軽い難聴でも、会議などが多くて不自由する方は積極的に検討してもよいでしょうし、程度がもう少しひどくても、本人が困らなければ必ずしも必要ありません。医者を含め周りの者が、「勧める」ことはあっても、「決める」ことではありません。ましてや押しつけるものでもありません。

 しかし、外出時などに、聞こえが悪すぎて危険だったり、そういうことにあまりにも本人の自覚が薄いときは、周囲もなるべく勧めてあげるべきでしょう。(そのときも本人に「その気」がないと・・・)

 迷っているなら、とりあえず試してみたら良いでしょう。「気に入る物があればもうけもの」、くらい気軽に試聴してみてください。

補聴器はうまくいかないことが多い?

 簡単に適合する人ばかりではありません。まず、補聴器のことを「理解」しなくては、せっかくの高い買い物が無駄になってしまいます。

 まず、あくまでも「機械」を通した音ですから、かつて「耳が良かった」頃のように聞こえるようにはならない、ということです。

 補聴器を通じて聞こえる音に、自分から「慣れる」つもりがないとうまくいきません。補聴器の方も、調整によってある程度は各自(各耳?)に応じられますが、付ける側も「器械に歩み寄る」気持ちがなければなりません。

 「本人のやる気」が大きく左右します。だから「本人が決めること」なのです。押しつけられても決してうまくはいきません。

 「一大決心」とは言いません。ちょっとやってみようかな、という気持ちが必要なのです。

補聴器は、原則として「聞こえの良い側」に装用するものです。

「悪い側」に付けてバランスを取るような目的ではまずうまくいきません。

問題点

 時に、時計店、眼鏡店、量販店などで補聴器を作製した方と遭遇しますが、そういう方々の中に、特に補聴器が無駄な買い物になっているケースが多いと思われます。理由はいくつかあげられます。

・難聴の質、原因を見極めない。

 「診断」は医療行為ですから、医療機関以外でできるはずがありません。難聴といってもいろいろです。

・安易に治療への選択が閉ざされる。

 中には本来治療で良くなる可能性のある耳ですら、補聴器という選択肢しか与えられていなかった方も実際あります。中には、長年、耳アカが奥に堅く詰まってただけ、というケースも。治る可能性を少しも探ることなく、補聴器という高い買い物に走ってしまった実例をいくつも見受けてきました。

 また、大型格安量販店・通販などによっては、適切な補聴フィッティングサポートのない「売りっぱなし」などの問題も、耳鼻科医の各種連絡会などで指摘されてもいます。

*「聞こえの悪い側」からの装着や、初めから「両側装用」ばかりを勧める業者は、基本知識が欠けています。悪意やひどい商売っ気であると疑ってかかるべきでしょう。

当院では、まず一般診療・検査を行います。

その上で治療の可能性、補聴器の是非を検討します。

受診の際は保険証(及び、お持ちの方は各種医療券をお持ち下さい。

ひとこと 補聴器に対する過度な偏見も、極端な期待もいけません。決して安くはない買い物ですから、より上手に使いこなす意識を持つよう努めて下さい。そうすれば、「高い買い物」にはならないのではないでしょうか。
もう一言

補聴器作製には、聴力レベルの重症度などによっては、一定の制限はありますが、補助制度があります。

身障者認定聴力障害・・・一定以上の高度障害が認められれば、身体障害の認定を受けることができ、補聴器もその中で補助を受けることができるのです。)の書類や、その他補聴器助成のための診査票の作製には、定められた医師でなければなりません。

 当院はこのために必要な認定(身体障害者福祉法指定医)を得ております。

身障者等級は、聴力レベルに応じて変わります。

詳しくは来院の上、お尋ね下さい。

適用を受けるためには、まず各市役所・町役場にご相談下さい。所定の書類が発行されます。
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