蓄膿 

投稿者:みさママ

投稿日:10月22日(水)09時27分37秒

7歳の娘が8月から鼻が出ていて、耳鼻科・小児科を受診して抗生剤を飲んでいますが黄色い痰が止まらずに困っています。
総合病院で、肺炎・結核の検査をしましたが、異常なしでした。
先日、レントゲンで、蓄膿だといわれました。
普通は黒く移る部分が、まっ白でした。
3ヶ月抗生剤を飲んで治療しましょうと言われましたが、今まであまりに
長い間薬を飲んでしたので、体を休めて、11月から治療を始めましょうといわれました。薬を飲むのをやめてから、鼻つまりが悪化して、苦しそうです。
すぐに、治療を開始しないと、蓄膿が悪化して行きませんか?
いろいろ調べていると子供の場合は、成長とともに治ると書いているところもあります。
長期の薬投与せずいても治りますか?
また、蓄膿は、漢方治療も可能なのでしょうか?
体質改善できるので、抗生剤よりいいのでしょうか?

(追伸)
クラリスドライシロップ 小児用を
3ヶ月飲むように言われました。
体重は26キロです。
100mg を1日 2回飲むようにいわれましたが、
この量は多くないのでしょうか?
マクロライド長期少量投与療法というのは
もっともう少し少ない量を長期に飲むものではないのでしょうか?
副作用が心配なので、教えてください。

みさママさんへ 投稿者:院長  投稿日:10月23日(木)17時51分22秒

慢性副鼻腔炎としての診断が当該医療機関の判断通りとしますと、投薬治療の判断については一般的なものと考えます。「少量長期」療法の投与量についても、体重相応で常識的なものです。
 誰だか知りませんが「成長すれば治る」と言い切るのは、非常に無責任な人の言であると思います。中にはそういう人もいる、そうでない人もいるということで、ある人に限った「結果論」を、あとからそう言っているものとしか思えません。
 実際に放っておいて、成人するまでにずいぶんと重症な状態になってしまう、逆の事例だって珍しくありませんから。
 副鼻腔炎のマクロライド長期投与療法は、日本で始められたものといわれ、国内で近代的な耳鼻咽喉科医なら、ほぼ常識化した治療といって過言ではありません。

 ただ、「薬さえ飲んでいれば自動的にみんなが絶対に治る」というほど、ことは単純ではありません。個人差や環境因子などによる影響もありますし、この点はどんな病気でも同じことが言えるかと思います。
 程度や経過に応じて、こまめに鼻処置等を受けるとか、たとえばアレルギー性鼻炎があれば抗アレルギー薬などを併用するとか、各自に応じた治療内容のアレンジを必要とします。
 また、始めから「3ヶ月の服薬治療をしましょう」と言い切ることも出来ません。もっと早く治る場合もあれば、長くかかることもあります。「3ヶ月くらいかかることもある」というのが正しい実情だと思います。

 漢方についてですが、やみくもに漢方の方が「体によい」とか副作用の心配はない、というものでもありません。またマクロライド療法ほどに明確に治療効果が唱えられているわけでもありません。
 マクロライド少量長期治療については、いまや数多くの治療事例があり、副作用については「この治療だからこそ」というように特別に問題になったということはありません。自験例でも、特別に問題だと見られたことはありません。比較的安全性のある治療だと認識しておりますが、こちらも、徒に副作用のことばかりを言っていたら治療になりません。
 副作用をむやみに問題視して、今眼前に生じている、「鼻が苦しい」という事態を無視するのか、という不毛な議論になってしまいます。
 なんにせよ、薬を飲まずに済む体調であることが誰しも理想ですが、無理にそうして、ある症状を我慢するのか、あるいはさせるのか、ということを考えて頂きたいです。

 何らかの状況変化のあるなし ー副鼻腔炎の改善増悪、副作用症状の出現などー を確認しつつ治療を続けるのが、即ち「通院治療する」ということだと思います。
 特に小児の場合は、風邪をすぐに引いたりして、状況が変わりやすいですからその都度治療薬の選択を考えなくてはならないことが珍しくありません。
 常に患者さん毎に、症状程度のケースバイケースのなかで、診療は行われるべきところなのです。
(話はそれますが、だからこそ、むやみに長期間分の処方をするべきではないのです。状態・効果の度合いを見ながら、処方内容をアレンジできるようにするべきなのです。)

 最後にもう一言。マクロライド治療が確立された昨今だからこそ、これでもまだ慢性副鼻腔炎が「治りやすくなった」という言い方が正しい認識だと思います。かつてはもっともっと難儀な疾患だったのです。

みさママさんへ追補

 投稿者:院長  投稿日:11月 6日(木)12時23分41秒

「体重は26キロです。100mg を1日 2回飲むように」とありましたが、1日総量100mgを「1日2回で」という意味で受け取っていました。後で読み返して、ちょっと誤認を招きかねないと思い、追伸します。
 一般の方にはわかりにくい違いかも知れませんが、我々ドクターは、「1日投与量」を「何回分服」でという処方の仕方に馴れているので、書かれている内容をそういうふうに受け取っておりました。
 100mgを2回(=1日200mg)という意味でしたら、これはほぼ「常用量」です。治療開始時期、急性感染症状が強いときなどに用いる、本来の用量です。ですから1,2週間位まではこの量を用いることもありますが、その後のいわゆる「マクロライド少量長期投与」の原則量はその半量、「1日あたり100mg」程度というのが目安になります。

院長さまへ ありがとうございました。

投稿者:みさママ

投稿日:10月23日(木)20時19分03秒

早速にお返事ありがとうございました。
院長さまの丁寧な説明のおかげで、すっきりとしました。
早速、治療を始めたいと思います。

もうひとつ、質問があります。
インフルエンザの予防接種などするには
影響ないのでしょうか?
薬は飲んでいっても、接種は可能でしょうか?
それとも、接種当日または、前後の日は、薬を
飲まないほうがいいのでしょうか?
それとも、予防接種をしないほうが、安全なのでしょうか?

これから、風邪の時期で、いろいろと悩みは
つきませんが、、、、、。
早く苦しい鼻の蓄膿から、脱出させてあげたいと思います。

みさママさんへ 投稿者:院長  投稿日:10月24日(金)08時41分53秒

クラリスがインフルエンザワクチンに直接影響するとは思えませんから、基本的には問題ないでしょう。

 ただ、個別に、その時点での注射の是非については、行うドクターの判断と責任によりますので、必ず体調の確認と併せて、内服の事実を予めお伝えの上、ドクターにご相談してください。

ありがとうございました。 投稿者:みさママ  投稿日:10月25日(土)23時05分12秒 わかりました。ありがとうございました。
蓄膿の治療、インフルエンザの予防 上手にプログラミングしていきたいと思います