鼻水・鼻詰まりについて 

投稿者:tami  投稿日: 2月21日(金)22時33分06秒

今晩は。2月になってから、鼻粘膜が寒い空気に当たると痛く、水のような鼻水が出て、最初は右だけでしたが、左も同じ症状が出ています。日によって症状が軽い日と重い日があります。重い日は、入浴中や就寝中に鼻詰まりが起こり呼吸が苦しくなります。先日スギ花粉のパッチテストやアレルギーの血液検査をしましたが、異常なしでした。アレロックを処方されましたが、検査結果にアレルギー症状が出てないのに、薬を飲んでも良いのでしょうか?

 ご質問ありがとうございます。内容を見る限り、他院での診療内容かと拝察致します。
私なりの考えに基づくお答えですので、同業諸氏からは異論もあるかも知れませんが、その点はご了承下さい。
 臨床でしばしば遭遇する病態に、「(いわゆる)血管運動性鼻炎」というものがあります。昨今では「本態性鼻炎」という言い方を提唱されているようでもありますが、この「本態性」というのは、明らかな原因を特定できない、という意味であると理解されて良いでしょう。「本態性高血圧」「本態性・・病」などいろいろな病気が実際に存在します。
 気管支喘息という病気でも、特別なアレルギー原は特定されないのに、気道粘膜・平滑筋が過敏な反応を示す、というタイプが広く知られています。

 さて、この「鼻炎」の場合ですが、所見・症状は全くアレルギー性鼻炎と区別はできないのに、アレルギー原を特定できないというケースが、やはり本当によくあるのです。
 鼻粘膜自体が、いろいろな刺激に「訳もなく」敏感になってしまう、ということがあるのです。刺激になりうるものは埃・花粉を含めた微小粒子、寒冷刺激、急な温度変化などです。もともとこの反応は異物や冷気の侵入に対する防御能として生理的に存在するわけですが、それが度を越えてしまっている、というくらいに考えて結構かと存じます。
 症状が起こるスタート地点が、明らかなアレルギー性の抗原抗体反応であるか、それがはっきりしないか、ということで、そこから粘膜内で起こっている現象は、実際問題それほど大きな違いはありません(と言ってしまうと、それは違う!という専門家もあるでしょうが。話を平たく理解するためです!)。

 アレロックをはじめ、抗アレルギー薬というのは、アレルギーのスタートである「抗原抗体反応」を防ぐのではなく、そこから連鎖反応で「生体側が産生する」もろもろの化学物質(これが粘膜の分泌その他の状態を狂わせます)の作用を抑制することが主な作用機序です。
 ですから、抗アレルギー薬を、血管運動性鼻炎に投与するのは、間違った考えではないと私も思います。(抗原抗体複合体の細胞壁付着を阻害するのが作用点である薬にインタールという製剤がありますが、これは理屈から言って、あまり期待できないかもしれません。)

 実際、私の見ている患者さんの中にも、同様の方が実在します。しかも奇遇(?)ですがアレロックとの相性が非常に良く、症状が完全抑制され、飲み忘れるとたちまち症状がでるというくらいですので、その方についていえば、有効性は疑う余地もありません。
 一般的な抗アレルギー薬は、通常の使用法でしたら、まず人体に大きな負担を与える薬剤群ではありませんから、あまり深く考え込まずに、まずは服用してみて下さい。
 効果の出方は、花粉症ですら個人差が大きくでますので、効いたか効かないか、自覚症状と、医師の目から見た所見の変化などの結果を見てから、また相性(症状の抑制度、眠気の度合いなど)の合う薬剤の検討を進めるのが症状コントロールへの早道かと存じます。

 薬剤は必ずしも内服薬だけとは限りませんし、ある種の点鼻薬が有効な場合もあります。ケースバイケース、併用したり、局所用剤だけでむしろ間に合う、という場合だってあるのです。

<注意!>
 ただ注意願いたいのは、市販薬に多い、血管・粘膜収縮系の点鼻薬です。ナファゾリン、トラマゾリン、などという薬剤が主成分のものは、長期の連用により、鼻閉を誘発します。こういう薬は、急な風邪ひきで鼻がつまって、風邪が治るまでの数日間のみの使用で事足りる場合に有益なものです。

 もう一つ、「検査が陰性」という場合、代表的な抗原に対しての反応を見るわけですから、未知の抗原にアレルギー反応を持っている可能性、というのもないではありません。抗原になりうる物質はそれこそゴマンと知られており、シラミツブシに全部調べるというのも現実的ではありませんよね。よっぽど何か「思い当たる」ものでもない限りは・・・。
 ですが、こういう場合でしたら、尚更のこと、抗アレルギー薬の効果は期待できるところではないでしょうか?

院長先生ヘ 

投稿者:tami  投稿日: 2月23日(日)12時18分45秒

今日は!先生ご回答ありがとうございました。本能的に鼻が敏感に反応してしまう、又はスギや、ハウスダスト、猫・犬などのアレルギーに当てはまらなくても、他にたくさんあるアレルギーに反応しているのかも知れない・・・と理解しましたが、よろしいですか?アレロック、飲んでみようと思います。ところで、またお伺いしたい事が・・・。血液検査の臨床所見の見方で質問があるのですが、これから先、この人はアレルギーになるだろうと予測できる項目ってあるのでしょうか?あと、過去に血液検査をしたときに、抗核抗体が40までのところ、320と陽性になったことがありまして、先日の検査では陰性になっていましたが、何か体調の変化があれば、内科へ来るよう言われました。27歳にして初めて鼻炎になったんですけど、これは体調の変化と考えるべきなのでしょうか?細かい質問をして申しわけありませんが、アドバイスお願いします。

後半部は少々専門を離れる話になり、あまり無責任なことも言えないところですが・・・。

 未知のアレルギーかも知れないし、「仮に全てを調べ尽くしても陰性かも知れない」のが「本態性」というものです。(「本能」ではありません。随分意味が違ってしまいますよ(笑))

「将来アレルギーになるだろう」という予測をできる検査というのは難しいのではないでしょうか。ただ、tamiさんとは逆に、「アレルギーの血液検査(RASTなどと言いますが)が陽性で、症状が無い」ということもよくあります。これは「まだ発症していない」と考えた方がよいところでしょうから、「スギ抗体陽性」で「近い将来スギ花粉症が発症するかも知れない」というところまでが予測の限界でしょう。

 さて抗核抗体についてですが、これはもう、耳鼻科医として責任の持てるお話ではないことを先にお断り致します。
 抗核抗体が陽性というのは、「自己免疫病」「膠原病」という病気の可能性がある、というのが教科書的なお答えです。そういう病気の疑わしい症状・診察所見がある場合に、検査して陽性であれば、その病気である疑いを強める、というものといえるでしょう。ただ、健常人にも、数%程度は検査だけが陽性、ということもあるといわれています。
そこから先の専門的診断については内科の先生にご相談下さい。

 ただ、アレルギー性鼻炎は、なにも抗核抗体のある人ばかりが発症するわけではありません。「花粉症・血管運動性鼻炎の発症を以て膠原病を心配する」、というのはちょっと話が飛躍しすぎの気もします。
 鼻炎を「体調の変化」のうちに入れるべきかどうか、内科の先生がどう考えるところかは、正直わかりかねます。(私的に無責任に言えば、そこまでを気にしなくても・・・とも思いますけど。)
 抗核抗体陽性の病気は、と言っても数多いですし、逐一症状を上げていったらキリもありません。その上で申しますが、関節の痛み、なんらかの治りにくい皮膚病変などが続く時などを、内科の先生は「体調の変化」と表現されているのではないかと思うのですがいかがでしょう。
 何かの折りにでも、現在のtamiさんにとって、どういう症状が特に気にすべき「変化」なのか、その内科の先生にお尋ねするのも宜しいかと存じます。
 これ以上踏み込んだお答えはしようがございません、悪しからず。
お答えになりましたでしょうか。

ありがとうございます。 

投稿者:tami  投稿日: 2月23日(日)17時08分23秒

先生、御回答ありがとうございました。おっしゃるように、関節の痛みなどは無いので、様子を見てみようと思います。まずは、アレロック服用ということで・・・。ネット上でこんなに分かりやすく解説して頂いて、本当に感謝しております。すぐにでも、この鼻炎を先生に診て頂きたいほどです。しかし、当方は埼玉県越谷市という所で、神奈川県まではかなりかかってしまいます。先生がご存知の範囲で結構なんですが、埼玉でおすすめorお知り合いの耳鼻咽喉科はありますか?先日行った耳鼻科は3分診療そのもので、この時期花粉症の患者さんでお忙しいのかも知れませんが、症状を聞いて、両鼻見て、「花粉症の鼻してる」と言われただけで、アレロックです。これでは、正直アレロックを飲む意味がわかりませんでした。

 遠くの方からのお問い合せと聞いて驚いています。

 正直申して、実際の診療では私も「3分診療」を余儀なくしています。私の診療も、悪い響きのある「3分診療」(時にはそれ以下のことも)に括られてしまうとすれば、それはそれで致し方ありません。
 後ろに待っている全ての患者さんの待ち時間を、少しでも短くするためには、それしかないからです。各自の診療で、私なりに必要なことは説明しているつもりですが、混雑するとどうしても駆け足でこなさざるを得ません。待ち時間短縮に精一杯務めようとすると、どうしてもこうなってしまうのです。
 季節柄もありますが、私もtamiさんが受けたような診療に近い形をとっているかもしれませんよ。
 診療中では、時間的にどうしても説明しきれない点があることは否めません。HPや掲示板を設けた理由は、こちらの意図をなどを理解される一助になれば、との思いからでした。

 HPなら、「誰を待たせることもない」ときにじっくり私の知っていることや考えをお伝えすることができますので。(ですから都合次第で、Responseの迅速性も決して約束できるものではありません。今日はたまたま暇な日曜だったのです・・・笑。)
 掲示板初頭にも書いたとおり、このQ&Aを残して積み重ねることで、今後アクセスされる方々にも、共有し参考にしてもらえるのではないか?ニ考えています。ひいては説明の効率化にもつながれば・・・・。

「いくらかでも診療説明の穴埋めになれば」というつもりでのHPでしたから、アドレスは、近隣の人や受診された患者さんの目に触れれば充分と、検索エンジンには登録もせず、リンクも付けず、院内や看板に入れ込んだだけだったのですが・・・。
 それでもインターネットというのはいつの間にか検索でヒットされるようになるのですね。すごいですねえ。

 ところで埼玉界隈の耳鼻科医ですが、あいにく縁がなくて・・・。スミマセン。
では。

院長先生へ

投稿者:tami  投稿日: 2月23日(日)23時25分33秒

今晩は。何度も質問にお答えして頂き、本当に有難うございました。分かりやすく説明して頂き、自分の鼻炎についても、ちょっと安心しました。(なんせ、生まれて初めての鼻炎なもので・・・) 本当に、可能であれば遠藤耳鼻科にかかりたい程です。先生のような方が診療している耳鼻科を頑張って探しますね、埼玉で!(笑) では、本当にどうも有難うございました!!